ズーム倍率
いまだに(かなり減りましたが)広告で「16倍ズームで大きく撮れる!」とかって書いてあるのがあるので、ズームレンズの説明を書いておきます。
結論から書いてしまうと、遠くのものをその倍率で拡大できるわけではありません。
仮に200-500mm(2.5倍)と18-400mm(22.2倍)のズームレンズがあったとしたら、レンズのmm(焦点距離)は数が少ないほど広く撮れて、多くなるほど狭く撮れますので、200mm-500mm(2.5倍)の方が遠くのものを拡大して撮ることが出来るってことになります。
高倍率ズームのほうが確かに便利なんですが、便利なものには弱点もあります。一般的によくあるメリットやデメリットを羅列しておきます。
高倍率ズームのメリット
- 持ち歩く荷物を減らせる
- レンズ交換の手間がないので思い立った時にとれる
- お金がかからない
高倍率ズームのデメリット
- 画質の低下(特に望遠側)
- レンズが暗い
撮影倍率
ここでドールブログらしいことを書いておくと、大きく撮りたい人にはこの焦点距離はあてになりません。
まず見るべきはカタログの最大撮影倍率の部分。
メーカーによって表記が違うので気をつけないとなのですが、1/2とか1:2とか0.5倍とか書いてありますが、これは同じです。最接近した状態でセンサーに対して対象物がどのくらいの大きさに写るかってことです。
たとえばAPS-Cのカメラのセンサーは23.6mm x 15.7mmなので、0.5倍の撮影倍率のレンズで一番近寄って被写体を撮ると、だいたい4.8cm x 3.2cmの大きさで切り抜いた空間が撮れるって事になります。
ということは、ここを見ないで買ってしまうと、どんなに超望遠でもドールは大きく撮れません。
例えばこの500mmのレンズは鳥爺の世界なんかだと標準レンズとして扱われる焦点距離で、鳥を撮る分には使い勝手が良いのですが、最大撮影倍率は0.15倍なので最短撮影距離で20cm x 13cmくらいの空間を切り抜いて撮れるって計算になります。
横位置だとオビツ11がちょうど入る感じ、縦だとシチュエーションによっては少し物足りなく感じてしまうこともあるかも知れません。
それに対してタムロンの90mmマクロなんかだと1倍なので2.3cm x 1.6cmくらいの空間を切り抜けます。おおよそどんなドールのサイズでも対応できる事になりますね。オビツ11の顔だけアップにも対応できます。
大事なのはどこまで大きく撮りたいかを決めることです。
私なんかだと背景を入れる撮影が多いから、0.25倍あれば十分なんだろうかな?なんて思うのですが、最大撮影倍率が大きいレンズほど自由度が高いって考えておくと良いと思います。
ちなみに上の写真はNokton25mmF0.98という明るいレンズで最大撮影倍率が0.25倍。一応下にリンク置きます。3つも記事書いてるってことは結構気に入ってるみたいですw
手持ちのレンズの撮影倍率を上げる方法
クローズアップレンズ
一言でいうと虫眼鏡というか、レンズを近視にするフィルタです。
積極的におすすめはしないのですが、一番安いし持ち歩きも楽、中古カメラ屋のジャンク箱でも良く見つかるということで一番最初に紹介しますw
このジャンク箱に多い、中古が数多く出回ってると言うのもわからなくはない。デメリットが多いんです。
特に周辺部に行くに従って湾曲などの画質低下があります。高いのを買えばそれなりに使えるのかもしれませんが、、、
あとはレンズ径に合わせていくつか買うかステップアップリングを使う必要がある。そしてかさばってゆきます^^;
メリットはレンズの明るさに影響を与えにくいってことくらいです。
テレコンバータ
今あるレンズの最短撮影距離を変えずに焦点距離を伸ばすので、結果的に撮影倍率が上がります。
画質もほとんど低下しません。個人的にはこれが一番おすすめです。
1.4、1.6(これはちょっと特殊ですが)、 1.7、 2倍など色々なのが色々なメーカーから出てますが、1.4-1.7倍くらいが使いやすいです。3倍もあったけど、ちょっと論外かなとw
1.4倍なら200mmのレンズとボディの間に挟むと280mmレンズになり、明るさも比例して暗くなり、もとの明るさがf2.8のレンズだったらf4になります。でもそこは画質とトレードオフです。
200mmに1.7倍だと340mm f4.8くらいになる感じですね。
検証の結果は下の記事にまとめてありますので、興味があったらご覧ください。
中間リング
実は個人的に本命ですw
防炎から広角まで使えるレンズが多く、汎用性が高くて安いですから。
使い方はレンズとカメラの間に挟むだけ、中にレンズとかはないスペーサーです。
細かい仕組みは色々難しい話になるので省略しますが、レンズとボディの間が開くほど無限遠にピントが合わなくなり、逆に最短撮影距離が短くなって少し暗くなります。
ドール撮影なら薄めのものを1枚持っていれば色々使い出があります。
ニコンのPKリングはMFのみですが、ケンコーのはAF出来るみたいですね。
ファインダー倍率
これは特にマニュアルでピントを合わせる人に重要な項目になります。
標準となる50mmのレンズをつけて覗いたときの大きさと、実際の景色の大きさの差がこの倍率になります。
- D3500が0.85倍、50mmをつけたときに実際の景色よりずいぶん小さく見えます。ボディ価格は5.3万円くらい
- D7500が0.95倍、少し小さいけど、ほとんど実際の景色と変わらないくらいに見えます。ボディ価格が10万円くらい
- D500が1倍、これでほぼ同じ大きさ。APS-Cフラッグシップだけはありますね。ボディ価格は15万円くらい
こうしてみると、一部例外を覗いて価格に比例して倍率が上がりますね。
この倍率が上がると必然的にファインダーを覗いたときの表示範囲も大きくなるので、全体の構図も見やすいです。
見やすいほうが良いじゃん!と言って今から今持っているカメラを買い換えるのももったいない。
って時に倍率を上げたい。そんなときどうするか?
マグニファイヤーアイピース
こんなのがあります。
元のカメラのファインダー倍率に対して1.17倍することができます。
でもこれもこれで欠点があります。だって欠点が無ければみんな付けてるわけでw
- ファインダーを覗いた時に蹴られて見えない部分が発生することがある。
- 眼鏡の人はさらに蹴られる。
- 可動式の液晶に干渉して操作性が低下することがある。
ならなんで売っているのか?と言われるかもしれないけど、マクロ撮影には結構良いのですよ。
でもまぁ・・どうせ安いし、買って試して駄目でもバッグの片隅に突っ込んでおけばいつか役に立つかも?と思ってそのまま忘れるというパターンが大半なんですがw
まとめ
という感じでいかがでしたでしょうか?
何万画素!とか何mm!とかFなんとか!っていう目立つ売り文句の数字とは違って、あまり目立たない倍率のお話でした。
露出倍数もありましたが、今はオートで撮れるし、今回はパスですw
何かのお役に立てましたら幸いです。
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