コシナは約60年の歴史を持つレンズ・カメラメーカーで、フォクトレンダー、ツァイス・イコン、カール・ツァイスのブランド製品を販売している。
今回紹介するVoightLander NOKTON 25mm F0.95はコシナの製造するマイクロフォーサーズ規格のマニュアルフォーカスレンズであり、この他に10.5mm 17.5mm 42.5mmがラインナップされ、超広角から中望遠までF0.95という明るさを味わうことが出来るようになっている。
前置きが長すぎると焦れる読者も居るかと思うので、早速紹介に移ろう。
鏡筒は全金属製であり、このクラスのレンズでは当然だが、もちろんマウント部も金属である。
フードも金属製で古いデザインを採用しており、やや垢抜けない印象を持たれるが、筆者はこの意匠にもコシナの香りを感じることが出来て気に入っている。
ヘリコイドは適度なトルクがあり、滑らかに回りながらも止めたいタイミングで止めやすい。MFレンズを多く製造してきたメーカー故最適な硬さのグリス選択がなされている。
次にレンズ下部を見ていただきたい。最近のAFレンズでは省略される事も多い被写界深度目盛が彫り込まれている。小さいシステムを構築できるフォーマットなので、ピント合わせに煩わされることもなく街中のスナップを狙う事も可能なのが有り難い。
400gという重量を持ちながら、コンパクトなカメラにマウントした際もバランスを崩すことなく扱える。
中間絞りの位置にクリックがあるので細かい絞り制御が可能。
このレンズには二面性があり、F2.0を境に開放するほどソフトな描写が得られ、F2.8以降に絞るとシャープな像を得ることが出来る。
とても甘い描写であるが、これがこのレンズの持ち味であり、シャープさにのみ賞賛が与えられる一部の風潮では考えられない画作りが可能だ。
少し絞ればこの通りである。葉の先端までしっかりしっかり解像されている。等倍鑑賞を旨とする諸氏にも満足いただけるはずだ。
点光源を見て頂きたい。絞り羽10枚の偶数絞りは筆者の所有レンズに無かったので有り難い。
羽形状が円形ではないのでボケが硬いとする方もいるようだが、これも含めてこのレンズの味であると筆者は考えている。
太陽を画角内に配置しても派手なゴーストは出ず、出ても処理しやすいのは優秀である。
レンズの明るさを活かして明け方や夕暮れを狙う際にも困ることは少ないだろう。
古いレンズの描写を持ちながら、デジタル時代のレンズらしく色乗りが良いが、嫌味なほどの強調はないので現像時に扱いやすい。
最短撮影距離17cmというセミマクロ的な一面を持ち合わせているので用途は広く、開放時はその被写界深度の薄さと相まって幻想的な効果を得ることが出来るかもしれない。
(とまぁこの記事は亀爺の書きそうな文体で遊んでいるのですが、特定の個人を真似たものではないのであしからず。それに尻切れっぽいのは書いてて飽きてきたのでw本来の記事はこちら)
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